『小林多喜二日記』1927年4月10日 (第55回) 

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今回、朗読していない部分が一箇所あります。ページの画像には映っています
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https://youtu.be/1ZKyYYLojs4

★ 今回出てくる作家名 [ ] 内は日記中の表記

福本和夫 / 1894年〜1983年 日本の経済学者、思想家 日本共産党の幹部など  共産党内外周辺への影響力は大きく、その理論は「福本イズム」と呼ばれていますこの朗読の第53回(1927年3月20日)にも出てきます 
著作も多く、この日記の前年1926年だけで『マルキシズムの旗のもとに』『経済学批判の方法論』『社会の構成並に変革の過程』などを発表。ほかにもあるかもしれませんが、この3つは国会図書館デジタルコレクションに収録されています


デボーリン / (Abram Moiseevich Deborin) 1881年‐1963年  ソ連の哲学者 「マルクス主義の旗の下に」誌の編集責任者 著作に「弁証法的唯物論哲学入門」「弁証法と自然科学」などがあるようです


河上肇 / 1879年〜1946年 経済学者 マルクス主義の研究者 『資本論』の翻訳でも知られている そのほか執筆活動も多い  共産党へ入党後は『赤旗』の編集にも関わる 多喜二の亡くなった同年1933年に治安維持法違反で収監されている 


★今回出てくる作品名 [ ] 内は日記中の表記


[社会の構成並びに變革の過程]/ 福本和夫著 国会図書館デジタルコレクションに収録されていますhttp://www.dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/982856

[経済學批判の方法論] / 福本和夫著 国会図書館デジタルコレクションに収録されていますhttp://www.dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/982908

[共産黨宣言]  /  カール・マルクスとフリードリヒ・エンゲルスによって書かれた共産主義について1848年に発表された書籍  国会図書館の記録だと1906年頃に出た幸德秋水、堺利彥合訳の『社会主義研究』のなかに収録されているものが一番古く、その後も複数の翻訳本があります

[レーニン主義の哲學] / デボーリン著  1925年 希望閣

[社會問題研究] /  河上肇著  1925年 同人社書店 この書籍に今回出てくる[レーニンの瓣證法]も収録されています

[萬歳々々] / 小林多喜二作 第42回(1927年2月7日)にも登場する作品です 『お恵と彼』 という作品を改題して「原始林」へ発表したようです

[素描] /米山可津味作  と日記に書かれているのですが 詳細はわかりませんでした


[伴友次郎の事]/  [田中の伴友次郎の事] と日記に書かれているのですが 詳細はわかりませんでした朗読では「ばんともじろう」と読んでいますが、正確な読み方も不明です


[漱石警句集] /高山辰三 編 1917年  図書評論社
国立国会図書館デジタルコレクションにあります 
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/956217  


[世界文學梗概集] / 詳細不明



★ 今回出てくる人の名前や名称 [ ] 内は日記中の表記

安部磯雄 /  1865年〜1949年  社会主義者 日本の社会主義運動の先駆者と言われている この日記の前年1926年12月に社会民衆党を結成 早稲田大学野球部を創設し「日本野球の父」と呼ばれる


米山可津味 /  小樽新聞の記者 多喜二たちが出版した同人誌「クラルテ」の第3号に作品を掲載しており、日記でも何度か出てくる人物  この日記の第20回(1926年9月15日)にも登場しています


[武田] / おそらく武田暹 (たけだ すすむ) のこと   多喜二の友人 1926年8月15日(第14回) 「駄菓子屋」の項を参照のこと  この日記には度々登場しています


[新宮]  / おそらく新宮正辰のこと  多喜二が中心となって作っていた雑誌『クラルテ』の同人 


田中五呂八 / 1895年〜1937年 川柳作家 北海道釧路市出身 小樽新聞社に勤務 伝統的な川柳を否定した新しい川柳「新興川柳」を掲げて活躍した 小樽で雑誌『氷原』を創刊 昭和初期まで刊行している 多喜二と同様に、市立小樽文学館に資料が収蔵されています


高崎徹 /  小樽高商でロシア語教師をしていたという記録がネットにあります 小樽新聞の主筆も務めていたようで、多喜二がクラルテへの参加を求めて面会して以来交際があったようです 
同氏の『初めて多喜二と会った日』が 1965年「緑丘編集部編「小林多喜二特集」に掲載されています あいにく国会図書館ではまだインターネット公開はされていません 同姓同名かもしれませんが市立小樽文学館に資料が収蔵されています


[朝比奈] /  詳細は不明です ネットで調べると、クラルテの同人の一人、片岡亮一氏の親しい作家仲間に『朝比奈義郎』という人がいたようです


[千登勢] / お店の名前らしいですがよくわかりませんでした

原始林 / 大正末から昭和の初めに石川県金沢市で発行されていた同人誌。 小樽に支部があったらしいです  この朗読の第12回(1926年8月8日)にも出てくる雑誌です


[京大學生事件] / 1925年に起こった京都学連事件と呼ばれるものかもしれません この頃京都地裁で第一回公判があったようです 


[支那の國民運動と共産黨運動] /  特定はできないのですが、この日記の半月前、1927年3月に『南京事件』と呼ばれる事件が中国で起こっています

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