『小林多喜二日記』1927年3月20日 (第53回) 

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YouTubeはこちらから
https://youtu.be/PM1ibADKSDU



★ 今回出てくる名称[ ] 内は日記中の表記

   [磯野進の小作争議] / 前回第52回の説明と重なる部分もあるのですが、この争議についてネットに情報がたくさんあります。
リンクもしたかったのですが 主なところを書くと

小樽商工会議所が「第9章 啄木と多喜二 ~ その3」 では当時の争議の成り行きなどを載せています。

他にも白樺文学館では3月5日の小樽新聞の記事を載せこの争議を紹介しています。(多喜二を読む→新聞紙面から追う多喜二の足跡→磯野氏宅に押かく)

書籍では『小林多喜二伝』 倉田稔著 論創社 2003年に当時のことが詳しく書かれています
 
多喜二はこの争議を基に 1929年小説『不在地主』を書いていて 
青空文庫で読むことができます
http://www.aozora.gr.jp/cards/000156/files/49181_34750.html




   [公園館] / この日記に度々登場する小樽市内の映画館のこと 
小樽は映画の街といわれるほど複数の上映館があったらしく 小樽市役所の公式HPの説明では 大正末期(1925~1926)には小樽市内に10館はあったらしいです


   [越治] / 小樽市花園1丁目にあった喫茶店。1Fの越治商店の越井治郎さんの名前からついた店名だそうです。当時から有名な喫茶店です 
小樽市のサイトにも掲載されていて、多喜二と伊藤整を紹介しています
https://www.city.otaru.lg.jp/simin/koho/bungaku/1910.html
この朗読の第47回(1927年3月7日)にも登場しています。



   [山脈] / 多喜二の友人 勝見茂が同人だった雑誌の名前 詳細はわかりませんでした




   [婦女界] /  1910年〜1950年 2度復刊をして発行され続けた婦人向けの雑誌  
谷崎潤一郎や菊池寛、川口松太郎、久米正雄などが当時小説を連載していたようです

 


   ★ 今回出てくる名前 [ ] 内は日記中の表記


   [斎藤] / この日記に何度も登場する多喜二の親友、斉藤次郎のことかもしれません  
庁立小樽商業学校から生涯を通じての友人で画家を志しています  多喜二との書簡が残っており、この日記に「小林多喜二書翰集/斉藤次郎への手紙」が収められています 味知二、末知二は筆名 



   [プリシユウズ]  / 調べてはみたのですがわかりませんでした 判る機会があれば更新したいと思います



   [モウパツサン] / ギ・ド・モーパッサン 1850年〜1893年 フランスの作家、劇作家、詩人 自然主義の作家  



   [チエホフ] / アントン・チェーホフ  1860年〜1904年  ロシアの作家 作品の中心は戯曲、短編小説




   [蒔田] /おそらく 蒔田栄一のことかと思われます 小樽商業高校から生涯にわたっての友人 この当時は助教授だったそうです 




   [高商の三浦] / 調べたのですが特定できていません 
苗字だけで言えば、例えば、ネット公開されている倉田稔著『小樽高商入学の小林多喜二』にある「後輩の三浦強太」、白樺文学館の「小樽高商合格者」(多喜二を読む→新聞紙面から追う多喜二の足跡→小樽高商合格者)のなかにある、多喜二の同級生「三浦兵太郎」の名前はすぐみつかるのですが もっと有名な方がいらっしゃるのかもしれないです 



   [福本和夫] / 1894年〜1983年 日本の経済学者、思想家 日本共産党の幹部など  共産党内外周辺への影響力は大きく、その理論は「福本イズム」と呼ばれています

著作も多く、この日記の前年1926年だけで『マルキシズムの旗のもとに』『経済学批判の方法論』『社会の構成並に変革の過程』などを発表。ほかにもあるかもしれませんが、この3つは国会図書館デジタルコレクションに収録されています

http://www.dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/911275
『マルキシズムの旗のもとに』第1冊

http://www.dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/911276
『マルキシズムの旗のもとに』第6冊

http://www.dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/982908
『経済学批判の方法論』

http://www.dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/982856
『社会の構成並に変革の過程』




   [レーニン] / ウラジーミル・レーニン 1870年〜1924年  ロシアの政治家、革命家  ロシア革命の主導者 ソビエト連邦、ソ連共産党の初代の最高指導者  





   [シャルル・フイリツム] / シャルル・ルイ・フィリップ  1874年〜1909  フランスの作家  代表作は「ビュビュ・ドゥ・モンパルナス」「優しいマドレーヌと哀れなマリー」他  35歳で早逝  この朗読では「シャルル・フィリップ」と読んでいます




   [ドストエフスキー] / フョードル・ドストエフスキー  1821年〜1881年  ロシアの作家、思想家  多喜二の日記にはなんども名前がでてくる作家 
“超人思想” ”汎愛思想”など 参考とした作家のようです (第14回) 特に『罪と罰』については 第20回(1926年9月15日)の日記に詳しく書いています



   [ノラ] / ヘンリック・イプセン作 戯曲『人形の家』1879年 の登場人物 
多喜二はノラについて講演もしています(第47回・1927年3月7日)



   [勝見茂] / 多喜二の友人 本名は藤橋茂  多喜二の友人らと一緒に同人誌「新機械派」1930年 3月5日 第1号を発行 
この朗読の第38回(1926年11月23日休み)にも登場しています



   [足立勇] / 特定できていないのですが 同姓同名に1901年〜1968年 文筆、編集、食物史研究などをされた方がいます 
『漂白の詩人藤村の生涯 作品と芸術』星文館 1953年 といった著作もある方ですが、今回出てくる戯曲『老婆』の作者かどうか わかりませんでした 




   ★ 今回出てくる作品名 [ ] 内は日記中の表記



   『修羅八荒』 映画/ 河部五郎 主演  マキノ映画  日活の公式HPをみると当時第一篇が1926年2月に公開されています 
ほかにも調べていたら 国会図書館デジタルコレクションに中篇が公開されていました 
映画とは違う筋かもしれないのですが 雰囲気だけはなんとなく わかります
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1019821



  シラノ・ド・ベルジュラック /  1619年〜1655年 フランスの作家、哲学者 
武勇伝を持つ軍人、剣豪でもあったようです。
おそらくここで話題になったのは、彼をモデルにして書かれた戯曲、エドモン・ロスタンの『シラノ・ド・ベルジュラック』の方かと思います 


   
   [共産党宣言] /  カール・マルクスとフリードリヒ・エンゲルスによって書かれた共産主義について1848年に発表された書籍  
国会図書館の記録だと1906年頃に出た幸德秋水、堺利彥合訳の『社会主義研究』のなかに収録されているものが一番古く、その後も複数の翻訳本があります




   [ビュ・ビュ・ドウ・モンパルナス] 小説 / シャルル=ルイ・フィリップ作   1901年に発表された短編小説 
この日記の第1回(1926年5月26日),第14回(1926年8月15日), 第44回(1927年3月2日夜)にも登場する、多喜二が度々触れる作品のひとつです



   [詩の公式—生活、意識、表現の三層耬的関係に就いて] / 定本小林多喜二全集 第9巻  新日本出版社 1968年 に収録されているようです 




  [老婆]  戯曲/ 足立勇作  婦女界1927年4月号 の「百花繚爛たる文藝欄 (當選戯曲)」に掲載されています 

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