『小林多喜二日記』1927年3月7日(第47回) 

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https://youtu.be/za9rclWQpmc


     ★ 今回登場する名前・作品 [ ]内は日記中の表記


「ノラとモダン・ガールに就いて」/ 3月6日 余市実科高等女学校で行われた『クラルテ』同人文芸講演会での講演のこと 講演者は多喜二のほか 斉藤次郎、武田暹、島田正策 *1
この講演のことを多喜二は手紙で田口タキさんへ報告しています
  「大成功だ!瀧ちゃんは日曜日のあの頃祈ってくれていたんだねえ。初めて出てあの位の成功を得るなんて、まるで奇跡でなくて何だろう。イヤ奇跡でもなんでも無い。ちアんと瀧ちゃんが後で祈ってくれていたからだ(略)」*1



 
[ 軋轢(不和) ] / ヨハン・アウグスト・ストリンドベリ作   ストリンドベルク小説全集04  新潮社 訳 伊藤武雄 1923(大正12) に『不和』が収録されているようです  『軋轢』というタイトルは詳細不明




[ 改造の試み ] / ヨハン・アウグスト・ストリンドベリ作 日記に出てくるこのタイトルでは調べられなかったのですが 当時たくさんの翻訳が出ていたようです 
   ・大正3年(1914)7月 「結婚生活」 水上齊訳 一橋堂書店 に収録された『改良の計画』
・大正4年(1915)9月 雑誌「科学と文芸」榎本安三郎訳に収録の『新らしき試み』
・昭和3年(1928年)「痴人の告白、死の舞踏其他」(世界文学全集) 三井光彌訳 新潮社 の『改良の試み』など  




 [イプセンの人形の家]  戯曲/ 『人形の家』 ヘンリック・イプセン作 1879年作  イプセンの代表作と言われる作品 女性の自立、地位向上など当時フェミニズム運動へ多くの刺激を与えた作品  
日本では1911年に坪内逍遥の自宅で上演されたのが 初演らしいです
この日記の第43回(1927年2月16日)でも 「余市でする講演の必要上…読み返してみた」とあり 多喜二にとって数回読んでいる作品のようです
青空文庫では島村抱月の翻訳版が読めます  
http://www.aozora.gr.jp/cards/001028/files/4797_31829.html



『不自然な淘汰』 / ヨハン・アウグスト・ストリンドベリ作   三並重三訳  当時の雑誌「創造」 1915年  に掲載されたらしいです  




★ 今回登場する人物、施設名 [ ]内は日記中の表記


『越治』  / 小樽市花園1丁目にあった喫茶店。1Fの越治商店の越井治郎さんの名前からついた店名だそうです。当時から有名な喫茶店で 小樽市のサイトでは 多喜二と伊藤整も一緒に紹介しています
https://www.city.otaru.lg.jp/simin/koho/bungaku/1910.html



[樽新の大澤榮夫妻] / 詳細不明です  多喜二に関わりのある名前から推測すると『樽新』は小樽新聞の略でしょうか *2 



[高商の十蔵寺教授] / 小樽高商の法律の教授だと多喜二が手紙に書いています。教授が多喜二について尋ねていたという話は、蒔田氏から聞いたようです。
この日記には書いていませんが、タキさんへの手紙には「(略)高商の蒔田教授から聞かされた。新聞記者などのいる処だった。非常に嬉しかった。」とあります*2



[ 蒔田 ] / 蒔田栄一のこと  小樽商業高校から生涯にわたっての友人 この当時は助教授だったそうです 
1972年の英学史研究に掲載された蒔田氏の『小林多喜二と英文学』がネットで公開されています
http://doi.org/10.5024/jeigakushi.1972.49




*1「小林多喜二の手紙」 荻野富士夫 2009年 岩波書店 
*2「小林多喜二 —21世紀にどう読むか」 ノーマ・フィールド 2009年 岩波新書 新赤版1169   岩波書店

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