『小林多喜二日記』1927年3月2日夜 (第44回)  

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YouTubeはこちらから
https://youtu.be/7zDTjCBuA40


日記に出てくる作品が 90年も経つせいか 
出版の記録すらわからないということがよくあります
ずっと調べているのですが とうとうわからない作品が 今日の日記に出てきます
ストリンドベリの『アスラ』です 
  
邦題がのちに変わることもあるので もう少し調べると わかるかもしれません 

日記中に出てくる
「醫者があんな事を言つてゐるではないか」

文脈でなんとなく想像はできても 
多喜二はここで医者の意見を聞きたくなります

この作品を「四、五度」読んでいるそう

それほど 繰り返し読んだ作品なのに

今のところ 見つけられないでいます 



    ★ 今回登場する作品名、映画名 [ ]内は日記中の表記

『人を殺す犬』  小説/ 小林多喜二作 1927年3月発行の小樽高等商業学校の校友会々誌38号に掲載された作品。 青空文庫で読むことができます
http://www.aozora.gr.jp/cards/000156/files/4155_17547.html
いま朗読しているこの「小林多喜二日記」の巻末にも収められている作品です 


『資本論』 / カール・マルクス  この日記の第42回(1927年2月7日)で「読んでみたい」と書いていた本です  国会図書館デジタルコレクションで読むことができます  
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/965898


[アスラ] / ヨハン・アウグスト・ストリンドベリ作? 英訳のタイトルも含めいろいろ調べたのですが どの作品を指しているのかわかりません  邦題が当時とは違うのかもしれません もしもわかったら追記したいと思います 
 

『キートン将軍』 /サイレント映画 アメリカ 1926年 バスター・キートン 主演 監督  「キートンの大列車追跡」「キートンの大列車強盗」など邦題は複数あるようです



『笑殺』 / サイレント映画 日本 1927年  川浪良太 監督   阪妻・立花・ユニヴァーサル連合映画



『ダーク・エンゼル [ダァーク・エンゼル] 』/ 映画 アメリカ 1925年 ジョージ・フィッツモーリス 監督  のことかもしれません この監督の作品には グレタ・ガルボ主演の『お気に召すまま』 1932年 もあります  



『カラマーゾフの兄弟 [カラマゾフの兄弟] 』 小説/ フョードル・ドストエフスキー作 1880年 



『レ・ミゼラブル』   小説/  ヴィクトル・ユーゴー作 1862年  この日記の 第5回(1926年6月7日)と第32回(1926年10月20日 )でも、この作品のことはちょこっと触れています



『ビュビュ・ド・モンパルナス[ビュ・ビュ・ド・モンパルナツス] 』  小説 /シャルル=ルイ・フィリップ作 1901年に発表された短編小説 この日記の第1回(1926年5月26日),
第14回(1926年8月15日)でも触れている作品です



[ヤーマ]  / アレクサンドル・クープリン作  1923年   デジタル国会図書館でよむことができます
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/978039



『現代人の悩み』 小説/ヨハン・ボーエル または ヨハン・ボーヤー 作  1922年翻訳出版されたらしいです  偶然わかったのですがこの同じ年に『カラマゾフの兄弟』や『人形の家』も出版されたようです



『女中の子』 小説/ヨハン・アウグスト・ストリンドベリ  1886年 ストリンドベリの自伝的な小説と言われています




    ★ 今回登場する雑誌名[ ]内は日記中の表記


[高商の校友会々誌]/  小樽高等商業学校校友会会誌のこと 





    ★ 今回登場する人物名 [ ]内は日記中の表記



[占部教授] /  小樽高等商業学校の修身・倫理学の教授 、監生部長  正確な氏名には「卜部岩太郎」だそうです *1


カール・カウツキー / 1854年〜1938年 ドイツの政治家、哲学者、経済学者 エンゲルスの没後はその仕事を引きつぎ のちに「マルクス主義の法王」とも呼ばれたらしいです  この日記当時 いくつもの翻訳が出版されています


河上肇 / 1879年〜1946年 経済学者  マルクス主義経済学について1928年に著作を出しているようです   


高畠素之 / 1886年〜1928年  哲学者 社会思想家 彼の訳した『マルクス十二講』については  この日記の第34回(1926年11月5日)でも触れています 


山下秀之助 / 1897年〜1974年  歌人 札幌鉄道病院院長  大正末から昭和の初めに石川県金沢市で発行されていた同人誌『原始林』(第1次)の同人  また、戦後の『原始林』(第2次)を創刊した人のようです  共に第1次『原始林』の同人だった戸塚新太郎が、多喜二の同人誌『クラルテ』にも参加しています 


[島田]  / 嶋田正策(しまだしょうさく)のこと。多喜二(12才)が入学した庁立小樽商業学校では2学年上。多喜二の生涯を通じての友人。田口たきを身請けする際は金銭の協力もしている。のちに共産党へ入党する



[ボーヤー]/ 『現代人の悩み』の作者のことか  ヨハン・ボーエル、ヨハン・ボーヤーとも書かれる作家がいるようです  また、ノルウェーの小説家に Johan Bojer  “ヨハン・クリストファー・ボジェー 1872年〜1959年” がいるようです 


[大熊先生]   / 大熊信行 (1893年~1977年) 経済学者 評論家 歌人 1921年から小樽高等商業学校(現小樽商科大学)講師、翌年教授。1923年退職  多喜二は同校に1921年に入学しています  




    ★ 今回出てくる言葉 [ ]内は日記中の表記



[Tが益々利巧で、益々偉いといふことが分かってきた!]  /  この日記とほぼ同じときに 多喜二はTこと田口タキさんへ手紙を送っています  
一部書き抜くと

「瀧ちゃん位利口な人は僕は本当のところ知らない。女学校へ行ったとか、何とか云って、馬鹿で、何んにも知っていない女が如何に多いことか、どこに、「自分のようなものなんか……」と云う必要がある。そんな事は絶対にないのだ。いいかい」 *1


* 1「小林多喜二の手紙」 荻野富士夫 2009年 岩波書店 

   

   遅くなりました💦
  「3月2日夜」分のMP3ファイルを添付しました  

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