『小林多喜二日記』1927年2月16日(第43回)

ea9c5d8d198f7e977ffeec0bdcbce8af.jpg

YouTubeはこちらから
https://youtu.be/0lYLyi63nSw



小林多喜二の資料はたくさんあって   ここでわざわざ書き添えなくても良さそうなのですが
ちょっとだけ書くと

この日記の前日の 2月15日 に田口タキさんへ書いた書簡があるようです  *1 *2

タキさんへ 短歌を作るよう促す手紙で
「短歌と小説を同じようなもの」 作るときは「僕達が云う言葉で書くこと」と 指導の熱さが人柄を想像させます
 
ノーマ・フィールドは ”押しつけがましいという感は免れないが” と書きながら 
ジャンルの捉え方や自分の美意識を共有してほしいという気落ちは「さすが」と書いています 



  ★ 今回登場する作家名 [ ]内は日記中の表記

[ストリンドベルク] / ヨハン・アウグスト・ストリンドベリ  1849年〜1912年  スウェーデンの作家 、劇作家  『痴人の告白』『アスラ』『[青春]青書』 『ダマスカスへ[ダマスクスへ]』など 作品についてこの日記のなかでなんども登場する作家です


[イブセン]  / ヘンリック・イプセン  1828年〜1906年 ノルウェーの劇作家、詩人  近代演劇の創始者  日本でも「人形の家」の公演数は少なくないようです



 ★ 今回登場する作品名、映画名 [ ]内は日記中の表記

『父(父親)』 戯曲/ヨハン・アウグスト・ストリンドベリ 多喜二日記(析々帳)の第1回(1926年5月26日)は「疑惑が恐ろしいのは」で始まりますが、そこで多喜二の触れている作品がシェークスピア作『オセロ』と、この作品です   ストリンドベリ名作集 新装復刊 2011年 白水社  
       

『熱砂の舞』映画/  アメリカ映画 サイレント映画  1926年  主演 ルドルフ・ヴァレンティノ 前作『シーク』1922年の続編 ヴァレンティノの遺作となったことでも有名 
  

『人形の家』 戯曲/ ヘンリック・イプセン作 1879年作  イプセンの代表作と言われる作品 女性の自立、地位向上など当時フェミニズム運動へ多くの刺激を与えた作品のようです  青空文庫では島村抱月の翻訳版が読めます  日本では1911年に坪内逍遥の自宅で上演されたのが初演らしいです
http://www.aozora.gr.jp/cards/001028/files/4797_31829.html


『結婚生活』/ ヨハン・アウグスト・ストリンドベリ作  1884年頃の短編小説集らしいのですが、よくわかりませんでした  『結婚(Giftas)』水上斉翻訳 一橋堂書店 1914年 が当時出版されていたようです 



★ 今回登場する人物名 [ ]内は日記中の表記

「K.S.」/ 多喜二が勤めていた北海道拓殖銀行の同僚「佐々木キヨ(キヌ)」のイニシャルかもしれません 彼女は人目をひく美人らしいです この日記の第7回にも登場します
多喜二自身は、美しい顔に惹かれる自分のことを「案外な男だと思ふ」と書いています (第4回(1926年6月1日)) 


「プラトーン」 / 北海道拓殖銀行で働いていた「笠原キヌ」のことかもしれません 倉田稔の『小林多喜二と拓殖銀行』のなかに名前があり、ネットで読むことができます

 
★ 今回登場するその他 [ ]内は日記中の表記

[余市でする講演] / 3月6日 余市実科高等女学校で行われた『クラルテ』同人文芸講演会のこと  講演者は多喜二のほか 斉藤次郎、武田暹、島田正策 *1


* 1「小林多喜二の手紙」 荻野富士夫 2009年 岩波書店 
*2「小林多喜二 —21世紀にどう読むか」 ノーマ・フィールド 2009年 岩波新書 新赤版1169   岩波書店

この記事へのコメント