『小林多喜二日記』1927年2月7日(第42回) 

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https://youtu.be/yLxitfUZOS0

今日の日記は二日分、「2月7日」と「2月16日夜」が続きます

なにかで読んだのですが  
多喜二は年明けに作品をひとつ書くと決めていたらしく
1927年の折々帳が2月から始まるのは そういう理由からのようです

今日の日記も あちこちに 
数年後の多喜二のイメージと重なる いろいろな言葉が出てきます

今回はマルクスの名前も登場します
「根本的な處に対して疑ひをもつてゐる」 と書いています

そのほか 田口タキさんも出てきます
ちゃんと会えてるみたいです ✨



 ★ 今回登場する作品名、映画名 [ ]内は日記中の表記


『雪の夜』 / 小林多喜二 作   青空文庫で読めます  http://www.aozora.gr.jp/cards/000156/files/4156_17546.html


『子を失ふ話』 / 木村庄三郎 作  詳細不明   梶井基次郎がこの作品の感想を「新潮」に書いていました。青空文庫で読むことができます
http://www.aozora.gr.jp/cards/000074/files/43693_18447.htm
そのほか徳田秋聲が「時事新報」大正15年10月12日号にこの作品の感想を書いています  時事新報はネットで読むことができます
 

『退屈読本』 / 佐藤春夫 作  1926年  新潮社 


『世界地圖』 /赤木健介 作  詳細不明 


『京城の顔の點描』/ 赤木麟 作 詳細不明


『夜』 / 戯曲 マルセル・マルチネ 作 1921年 築地小劇場で1926年の上演されたようです 
『築地小劇場検閲上演台本集』ゆまに書房 第7巻に収録されています


『解放されたドン・キホーテ』/ 戯曲  アナトリー・ルナチャルスキー 作 1923年頃  


『夜ひらく』 / ポール・モウラン作 1922年  『夜ひらく』 堀口大学訳  角川書店 1954年 で読めるようです


『罪と罰』 / 小説  フョードル・ドストエフスキー作 1866年 


『作者を探す六人の登場人物 [六人の登場人物]』  / 戯曲   ルイジ・ピルランデロ 作  1921年頃 


『各人各説』 / 戯曲   ルイジ・ピルランデロ 作 1924年


『火いたづら』/ 戯曲  ヨハン・アウグスト・ストリンドベリ作  1923~1926 年頃  国会図書館デジタルコレクションで読むことができます
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/970044/268


『父親』 /  岩成順 作  詳細不明です


『お恵と彼』 / 小林多喜二 作 [萬歳 改題]   1927年に『万歳々々』という作品を『原始林』(石川県金沢市で発行している雑誌)に発表しているようです 原始林については第12回(1926年8月8日)の日記にもでてきています  


[ 「メリヤスの股引?」]  / 多喜二が自作『お恵と彼』へつけた副題のようで この名前の作品はないようです 


『資本論』 / カール・マルクス   国会図書館デジタルコレクションで読むことができます  
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/965891


『アイアンホース』 / アメリカ映画  1924年  ジョン・フォード監督   ネットでは淀川名画選集などで紹介されています 


『社会思想史大要』 /小泉信三 著 1926年 岩波書店   国立国会図書館デジタルコレクションで読むことができます
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/980901  


『黄金狂時代』 /  アメリカ映画 1925年  チャールズ・チャップリン 監督・脚本・主演  数多あるチャップリン映画のなかでも評価の高い作品 




『巴里の女性』 / アメリカ映画   サイレント映画   チャールズ・チャップリンが監督、脚本、制作した作品。日本では1924年10月に公開。チャップリンが自身の作曲でこの映画に音楽を付けたのは1976年 当時の多喜二は聞いていない この日記の第24回(1926年9月26日)でも触れている


『最後の人』映画 / 1924年 ドイツ映画  サイレント映画  監督:フランク・ムルナウ  日本での公開は1926年1月 主演のエミール・ヤニングスの演技が高く評価されている  ハンディカメラで撮影された映像も当時話題になったらしい  『巴里の女性」と同じ第24回(1926年9月26日)に出てきます 



『ジークフリード』 / ドイツ映画 1925年公開   “ニーベルンゲン”(Die Nibelungen)の前編  フリッツ・ラング監督  主演 パウル・リヒター


『クリームヒルトの復讐』 / ドイツ映画 1925年公開 「 ”ニーベルンゲン” ジーグフリード」の続篇


『三太郎の日記』/ 阿部次郎著  1914年 感想評論集 他、三太郎の日記第弐/1915 、合本三太郎の日記/1918 が当時出版されています そのほか『三太郎の日記補遺』/1950も出版 青空文庫では「合本 三太郎の日記」を読むことができます
http://www.aozora.gr.jp/cards/001421/files/50422_44480.html




    ★ 今回登場する人名、作家名 [ ]内は日記中の表記


木村庄三郎 /   調べたのですがわかりませんでした 

佐藤春夫 /  1892年〜1864年 小説、詩、戯曲、評論など幅広く作品を発表している 

赤木健介 / 1907年〜1989年   詩人、歌人、歴史研究など  アララギへ投稿していた人のようです 戦後共産党へ入党

赤木麟 / この人もわかりませんでした

マルセル・マルチネ / フランスの作家 詩人   1887〜1994年   『ジャン・クリストフ』を書いた作家ロマン・ロランと親しく、日本の詩人とも交流があったらしい  1930年に社会評論社から『マルセル・マルチネ詩選』 が出版されています 


ルナチャルスキー /  アナトリー・ルナチャルスキー  1875年〜1933年  旧ソ連の芸術学者、文芸批評家、劇作家、政治家  ロシア革命後の新文化建設を指導し、革命と文化の関係について幅広い評論活動をする。評論「文学的シルエット」「マルクス主義芸術論」「革命のシルエット」戯曲「解放されたドン=キホーテ」 など


[ポール・モウラン] /  ポール・モラン   フランスの作家  1988年〜1976年  詩・小説家 外交官でもあったらしい 小説『夜ひらく』が有名


ドストエフスキー  /「フョードル・ドストエフスキー  1821年〜1881年  ロシアの作家、思想家   多喜二の日記にはなんども名前がでてくる作家 “超人思想”
と”汎愛思想”など 参考とした作家のようです (第14回) 特に『罪と罰』については 第20回(1926年9月15日)の日記に詳しく書いています


[ビルランデロ]  /  ルイジ・ピランデルロ  1867年〜1936年  イタリアの劇作家、詩人、小説家 ノーベル賞作家   作品の人気はいまも高く イタリア以外の各地で上演されている


[ストリンドベルク]  / ヨハン・アウグスト・ストリンドベリ  1849年〜1912年  スウェーデンの作家 、劇作家  『痴人の告白』『アスラ』『[青春]青書』 『ダマスカスへ[ダマスクスへ]』など この作家の作品については日記のなかでたびたび触れている



[ゴールキー] / マクシム・ゴーリキー  1868年〜1936年  ロシアの作家 多喜二へ強い刺激を与える作家のひとり。この日記の第17回(1926年8月31日)、第19回(1926年9月19日)のなかで作品についていろいろと書いています


[チェホフ] /アントン・チェーホフ  1860年〜1904年  ロシアの作家 作品の中心は戯曲、短編小説  『『赤い靴下』『一等旅客』『桜の園』『三人姉妹』『叔父ワーニャ』を多喜二は読んでいます この日記には度々登場(第4回、第5回、第13回など) 



岩成順 /  詳細不明です 


[マルクス] /  カール・ハインリヒ・マルクス  1818年〜1883年  無国籍  経済学者、哲学者、思想家  出身は現ドイツ 主にイギリスで活動している


『小泉信三』 / 経済学者  1888年〜1966年  『近世社會思想大要』 ほか「共産主義批判の常識」など  戦時中「出陣学徒壮行早慶戦」など戦争による野球弾圧について反対の立場から多くの力を尽くしていた方のようです  1976年に野球殿堂入り


『チャップリン』 / チャールズ・チャップリン  1889年 〜 1977年 映画監督 映画俳優、コメディアン、脚本家、映画プロデューサー、映画音楽の作曲も手がける  


[ワグネル] / ヴィルヘルム・リヒャルト・ワーグナー  1813年〜1883年   ドイツの作曲家 指揮者も務める  オペラ、楽劇の作品を多く作る 『さまよえるオランダ人』「 タンホイザー」「ローエングリン」「トリスタンとイゾルデ」 「ニュルンベルクのマイスタージンガー」「ニーベルングの指環」「パルジファル」など現在も上演される作品は数多い 


『阿部次郎』 /  1883年〜1959年  哲学者 作家  1914年に出版した『三太郎の日記』は青年のバイブルと呼ばれていたらしく、多くの人に読まれていたらしい  


『ダンテ』 / ダンテ・アリギエーリ  1265年〜1321年  イタリアの詩人 政治にも関わっていたらしい   叙事詩「神曲」 他 「地獄」「煉獄」「天国」「新生」など
 



   ★ 今回登場する雑誌名 [ ]内は日記中の表記


『中央公論』 / 月間総合雑誌 1887年創刊 いまも続いている雑誌です  現在の発行は中央公論新社 


『改造』 / 総合雑誌   1919年〜1955年  労働問題、社会問題など取り扱っていたようです その他この雑誌では幸田露伴、谷崎潤一郎、志賀直哉の作品が掲載され、芥川龍之介を絡めた文学論争など 話題の多い雑誌だったようです


『新潮』 / 文芸誌 1904年〜 新潮社  


『文藝戦線』 / 1920年頃に発刊されていたプロレタリア文学誌  『種蒔く人』の廃刊のあとを受ける形で発刊された雑誌のようです  




    ★ 今回登場するその他の名称


『築地』/ 『築地小劇場』  東京都中央区築地にあった劇場 1924年土方与志、小山内薫が中心となって作った劇団、または劇場の名称  
「日本プロレタリア芸術連盟」の前衛座が1926年の年末に『解放されたドン・キホーテ』を上演したらしく、このことを多喜二は書いているようです  翌年1927年に築地小劇場は2度小樽で公演 この公演のために当時奔走したのが、多喜二を中心とする同人誌「クラルテ」のメンバーだったようです  
また、1933年亡くなった多喜二の「労農葬」が執り行われたのも この築地小劇場だそうです


『極楽』 /  詳細不明です 


「入船館」 / 活動写真館  大正5年開業のニコニコ館が名称変更したもの 場所は小樽市入舟にある入舟市場にあったらしいです 


[ T ] / 田口瀧子、田口タキのこと   第40回、第41回から名前をイニシャルで書いているようです 1926年6月10日(第7回) でも 昔の彼女のことをイニシャルで書いていました  このあとの日記にもイニシャル表記の人が出てきます

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