『小林多喜二日記』1926年12月5日 (第40回)  朗読 藤代 三千代

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YouTubeはこちらから
https://youtu.be/b6NEPL3CbQQ




「志賀直哉」「里見弴」
二人とも多喜二にとって気になる作品を書く作家のようで これまでも何度か登場しています
今日はこの二人を外国の音楽家になぞらえていておもしろい日記です



    ★ 今回登場する場所の名前


「入船館」 / 活動写真館  大正5年開業のニコニコ館が名称変更したもの 場所は小樽市入舟にある入舟市場にあったらしいです 
 

「二見館」 / おそらく活動写真館 詳細はわかりませんでした


「図書館」 / どこへ聴きに行ったのか詳細は不明です。小樽高商の図書館がありますし、市立小樽図書館も当時もありました




    ★ 今回登場する人物名 [ ]内は日記中の表記‬


[ T ] / 田口瀧子、田口タキのこと?  名前をイニシャルで書いているようです 1926年6月10日(第7回) でも 昔の彼女のことをイニシャルで書いていました このあとの日記にもイニシャル表記が出てきます


[ハイフエツ] / ヤッシャ・ハイフェッツ  1901年〜1987年  現在のリトアニア生まれ 世界的なバイオリニスト いまもヒストリカル音源がネットラジオで流れるほど人気の高いバイオリニストです
ヒストリカルのノイズのある音なら多喜二が聴いたものに近い気がして探してみたのですが 
あいにくリンクできる音源はみつけられませんでした
YouTubeにもハイフェッツの演奏がアップされています 



「里見弴」 / 日本の小説家   1888年〜1983年  
 多喜二は短編小説『俄かあれ』について 「…傑作だ」と 第18回(1926年9月5日)に書いています


[ジムバリスト] / エフレム・ジンバリスト  1889年〜1985年  ロシアのバイオリニスト 
1922年に来日しており 同じ年に宮本百合子が『ジムバリストを聴いて』を書いています 
青空文庫で読めます 
http://www.aozora.gr.jp/cards/000311/files/3716_13094.html




「志賀直哉」 / 日本の小説家  1883年〜1971年  
 この日記に何度も登場する作家です(第15回、第21回、第26回) 
 特に第26回(2016年10月9日)は いらだったような筆致の回で「志賀以上にならうと思ふ」と書いています



[カルソー] / エンリコ・カルーソー 1873年〜1921年 イタリア生まれ 主にイタリアオペラの歌唱で活躍した世界的に有名なテノール歌手 



[シヤリアピン] / フョードル・イワノヴィッチ・シャリャピン またはシャリアピン 1873年〜1938年 ロシア生まれ 世界で活躍した有名なオペラ歌手 ソ連から亡命したのは1921年らしいです 
 日本の洋食『シャリアピンステーキ』が作られるのは 10年後です



[デビツシユイ] / クロード・ドビュッシー  1862年〜1918年 フランスの作曲家 
自由な和声を用い独自の作曲法で多くの作品を残している、現在も人気の高い作曲家のひとりです




[ベエトウベン] / ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン  1770年 ~1827年 ドイツの作曲家 
ベートーベンの代表曲でもある『交響曲第9番』については この日記の第32回(1926年10月20日)で触れています。 多喜二がこれから書こうとしている長編作品へ影響を与えるひとりです




「葉山嘉樹」 / プロレタリア文学の作家  1984年〜1945年
この日記に何度も登場しています(15回、18回、21回)
作品はいくつも読んでいて、第15回(1926年8月24日)の日記では 自分の自信作を「葉山嘉樹氏の『セメント樽から出た手紙』と同じ位の作と思ふ」と書くほど 多喜二が評価している作家




 ★ 今回登場する作品名 [ ]内は日記中の表記‬

[チゴイネルワイゼン] /  現在の表記では『ツィゴイネルワイゼン』とされることが多い 管弦楽の伴奏がついたバイオリン曲   スペインのバイオリニスト、パブロ・デ・サラサーテの1978年の作品 



[牧神の午後の前奏曲] / 『牧神の午後への前奏曲』 クロード・ドビュッシー作  1894年頃の作品らしいです 今はバレエ音楽としても有名ですが ニジンスキーがバレエ・リュスでこの曲を踊ったのは1912年、その振り付けで当時は相当話題になったそうです  
多喜二はその14年後に聴いていることになります  
管弦楽曲ですがこの頃はピアノの編曲版もあったようで、多喜二がどちらを聴いたのかはわかりません

YouTubeにたくさん音源があります 多喜二が聴いたのはライブ録音の音に近かったかもしれません 
 
  


『海に生くる人々』/ 葉山嘉樹作 1926年 改造社より出版 現在は青空文庫でも読むことができます 
http://www.aozora.gr.jp/cards/000031/files/863_22418.html

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