『小林多喜二日記』1926年10月18日 (第31回) 


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一度は読み始めたのに途中でやめてしまった ゲーテの「ファウスト」「ウィルヘルム・マイスター 」
自分の誤りかもしれないと もう一度読んだ理由は
改訳がなんども出ていたからだと書いています

調べたら、たしかに「ファウスト」はたくさん翻訳が出ていて、全訳ばかりではないようですが
1904年、1910年、1912年、1913年、1914年、1917年、1918年、1921年、1925年、1926年! と
ほんとに頻繁に出版されていました

翻訳者は 新渡戸稲造、森鴎外、森田草平、高橋五郎、中内蝶二 ほか
当時の多喜二が手に取れる和訳本はたくさんあったようです


「ウィルヘルム・マイステル」も1920年、1921年、1925~1926年、1926年に複数翻訳されているようです 

多喜二が言うように 
森田草平氏と林久男氏も 再度1925年、1926年頃に「ウィルヘルム・マイスター」を出版しているので、日記中「何度も何度もその改訳を…」を書いているのは、このことを言っているのかもしれません

日記の後半は、多喜二の戯曲「人間様!」について書いています


  ★ 今回登場する作家  [ ]内は日記中の表記

「ゲーテ」 / ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ 1749年〜1832年 ドイツの詩人、劇作家、小説家、自然科学者 

「 [ストリンドベルク]」/ ヨハン・アウグスト・ストリンドベリ 1849年〜1912年  スウェーデンの作家、劇作家

「[チェホフ]」/ アントン・チェーホフ(1860年〜1904年) ロシアの作家 作品の中心は戯曲、短編小説



   ★ 今回登場する作品

『ファウスト』 戯曲/  ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ作  二部構成の作品
第一部は1808年、第二部はゲーテの死の翌年1833年に発表された 
多喜二が最初に読んだのは 森林太郎翻訳の1913年 冨山房のものかもしれない 

 
『 ヴィルヘルム・マイスターの修業時代 [ウイルヘルム・マイステル]  小説/ ゲーテ作  1926年  林久男翻訳 岩波  他多数あり

『若きウェルテルの悩み [ 若きエルテルの悲しみ] 』小説/ ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ 1774年  林久男による邦訳が出版されたのは1920年  その他にも多数の邦訳あり
 

『ダマスカスへ[ダマスクスへ]』 戯曲/ ヨハン・アウグスト・ストリンドベリ作 

『人間様!』戯曲/   小林多喜二作  女囚監改題と日記にはありますが 詳細不明 


『[ヂユウドとアリヨーシヤ]』 / 多喜二の書いた評論。この日記の元になっている「析々帳」のほかに書いていた「原稿帳」の1926年6月17日に記述されているようですが 詳細は不明です 



   ★ 今回登場する人名

「森田草平」 / 作家・翻訳家 1881年~1949年  夏目漱石の門下生の一人  この当時は法政大学教授を務めている 平塚らいてうとの心中事件などでも名前が知られている  


「林久男」 / ドイツ文学者 1882年-1934年   ゲーテ作品『ウィルヘルム・マイスター』『美しき魂の告白』『ゲーテの詩』などを翻訳している

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