『小林多喜二日記』1926年9月15日(第20回) .

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前回の日記のなか 「読後感はあとで。」で 終わっていた 

ドストエフスキーの『罪と罰』

今日はその感想から始まります。
登場人物名が少し異なっているのですが、日記にあるままを読んでいます

今回は9月15日分だけでなく、9月18日分も一緒に入っています 

書かずにはいられない夜のようです


この日記のなかでもときどき出てくるので  読みながら気になっていたのですが
自分のなかで区切れがなければ あらたに日付は振らないのが 
彼のルールみたいです 




   ★ 今回登場する作品名  ( )内は日記中の表記

『罪と罰』 小説/ フョードル・ドストエフスキー作 1866年 多喜二が読んだのは、初めてロシア語から全訳された1914年出版の中村白葉訳の作品かもしれない


『虐げられた人々(虐げられし人々)』小説/ フョードル・ドストエフスキー作 1861年

『貧しき人びと』 小説/フョードル・ドストエフスキー作 1846年

『分身(二重人格者)』 小説/フョードル・ドストエフスキー作  1846年

『カラマーゾフの兄弟(カラマゾーフの兄弟)』 小説/フョードル・ドストエフスキー作 1880年 

『クラルテ』 小説 /  アンリ・バルビュス作 1919年  日本での翻訳は 叢文閣、1923年 小牧近江・佐々木孝丸の共訳で出版されている。 小牧近江は雑誌『種蒔く人』の創刊者のひとり。パリ留学中にアンリ・バルビュスの「クラルテ運動」に参加している


『チェルカッシ(チェルカッシュ)』/  マクシム・ゴーリキー作  1895年 ゴーリキー初期の最も有名な代表作  

『カインとアルチョム (カインとアルテルム)』/   マクシム・ゴーリキー作  1899年   二葉亭四迷が1905年『猶太人の浮世 』という邦題で翻訳しているが、これ以前にも和訳があったらしい 詳細不明 

『父の危篤』小説/ 小林多喜二作 日記では『分らない』の前作とある 1926年9月 同人誌「原始林」(※1)に発表したらしい


   ★ 今回登場する作家名

「ドストエフスキー」 /フョードル・ドストエフスキー (1821年〜1881年) ロシアの作家、思想家 


「アンリ・バルビュス」 /(1873年〜1935年) フランスの作家  1916年『砲火』でゴングール賞受賞 社会主義的な反戦運動「クラルテ運動」も展開している



   ★ 登場する人物名( )内は日記中の表記

「大熊先生」 / 大熊信行 (1893年~1977年) 経済学者 評論家 歌人 1921年から小樽高等商業学校(現小樽商科大学)講師、翌年教授。1923年退職  多喜二は同校に1921年に入学している


『米山可津味』 /  米山可津美 小樽新聞の記者 多喜二たちが出版した同人誌「クラルテ」の第3号に”米山可津味”の名で作品を掲載している この日記にはでてこないが、この年の11月に小樽新聞誌上で二人はペンネームのまま、ある論争をしたという記録がある  お互い誰が相手かわかっていたらしい 



   (※1) 「原始林」 / 大正末から昭和の初めに石川県金沢市で発行されていた同人誌。小樽に支部があったらしい。1925年10月、多喜二も在学していた小樽高商から軍事教練反対闘争が起こり、それは全国へと広まった。石川県立金沢泉丘高校でも反対運動が起こり、『原始林』の同人達はその関係者だったという資料がある

音声だけはこちら


YouTubeはこちらから
https://youtu.be/v0p--o_Frj0

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